介護福祉士が知っておきたい口腔ケア

歯周疾患

歯周疾患は、う蝕(虫歯)と共に歯科の二大疾患のひとつです。

 

う蝕は、歯そのものの病気ですが、
歯周疾患は、歯を支えている組織(歯周組織)の病気です。

 

つまり、歯周組織の病気は、一つの病気を指しているのではなく、
多数の疾患の集合体です。

 

そして、歯周疾患は、1999年にその分類が新しくなりました。
これは、病気そのものの考え方や治療法が変わったためです。

歯肉炎

歯肉炎は、歯肉に限局した炎症です。

 

症状は、歯肉の発赤、腫脹、刺激時の出血がみられます。

 

ブラッシング時に出血が見られるのは、
歯肉炎の症状のひとつです。

 

炎症の原因はプラークです。

 

適切なプラークコントロールによって、
回復可能な状態ですから、歯肉炎は治ります。

歯周炎

歯周炎は、以前は「歯槽膿漏(しそうのうろう)」と呼ばれていました。

 

歯周炎は、プラークが原因で発生した炎症が、
免疫やリスク因子によって進行し、
歯根膜や歯槽骨を破壊し、歯周組織が歯を支えきれなくなり、
ぐらぐらと動揺するようになり、最終的には歯を失うという病気です。

 

そして、以前は、5つほどに分類され複雑でしたが、
1999年の新しい分類では、「慢性歯周炎」と「侵襲性歯周炎」の
2つに集約されています。

 

歯周炎には、自覚症状が少なく、ゆっくり進行するタイプと、
急速に歯周組織を破壊するタイプがあります。

 

歯周炎を治癒させるのはとても困難です。

 

失った歯槽骨や歯根膜の完全な回復は、これからの歯科分野の課題です。

 

現状では、治療のほとんどが
プラークをコントロールすることに集中します。

 

ブラッシング指導、外科的手術、生活指導、食事指導などは
すべてプラークコントロールといっても良いくらいです。

 

炎症の進行を止めたり、進行速度を抑えるなどして、
歯周炎の治療を進めていきます。

その他の歯周疾患

歯肉炎と歯周炎以外にも、歯周疾患に含まれる病気があります。

 

たとえば、免疫力が低下した場合などに見られ、
口の中の歯肉がただれてしまう「壊死性歯周疾患」、
歯の下の歯髄(血管と神経)への感染から波及した歯周炎など、
さまざまな種類の病気があります。

 

全身的な疾患が歯肉に特徴的な症状を見せる場合もあり、
その場合は歯科医が患者さんの全身的な疾患を発見する場合もあります。

生活習慣病による歯周疾患

歯周疾患の大きな原因は、プラーク(歯垢)です。

 

プラークコントロールができなければ、
予防をしても治療をしても効果はありません。

 

逆に、プラークコントロールができれば、
歯周疾患を予防することができるでしょう。

 

とはいっても、歯周疾患は
プラークだけの問題で解決できるものではありません。

 

歯周疾患は、生活習慣病として捉える場合もありますが、
全身状態や免疫の状態によっても影響します。

 

介護職員にとって、要介護高齢者や、
入所者の健康管理はとても重要な業務ですが、
栄養指導や栄養管理、生活指導なども歯周疾患の予防や治療に
欠かすことができません。

 

特に、自分で生活を管理することができない場合、
自力でプラークコントロールができず介助が必要な場合は、
介護に関わる専門家のサポートが必須となるでしょう。