介護福祉士が知っておきたい口腔ケア

口腔粘膜の疾患の知識

口腔粘膜疾患は良く見られるものから特殊な疾患まで色々あります。

 

訪問診療の場で遭遇する粘膜疾患は、
家族や介護スタッフからの情報だけでは
歯科医師や歯科衛生士に伝わりにくいことも多く、
迷うことも多いようです。

 

しかし、それ故に現場のスタッフからの情報が重要になっています。

 

現場のスタッフが知識を持つことによって、
診断や治療の大きな力になります。

 

粘膜病変の診方

 

歯科医師は、どのように粘膜疾患を診ているのでしょうか。

 

@ 主訴

 

主訴は、とても重要です。

 

患者さん本人からの訴えなのか、
他者からの話なのかということとても重要です。

 

主訴無しでは、診療行為はありえませんが、
自分から訴えることができない場合には、
他社からの訴えも主訴になり得ます。

 

修飾せず、そのままの言葉で伝えてあげることが必要です。

 

つまり、無理に医学的な用語に置き換える必要はありません。

 

たとえば、家族から「粘膜に穴が開いてきた」、
介護スタッフから「口が裂けてきた」、「口の中が白くなった。」、
本人より「ぶつぶつができて時々つぶれ、茶色い液が出てくる、」
「ベロが痛くて味が感じられない。」などは、
そのまま歯科医師に伝えるようにしましょう。

 

A 原因・全身状態

 

関連が疑われる問題があると、それは診断の助けになります。

 

たとえば、「風邪を引いたころからその症状が出た。」
というような情報があれば、歯科医師に伝えましょう。

 

身体活動状況は、家族や介護職員など周囲の人が一番よくわかっています。

 

転倒して顔面を打ち、口腔粘膜を傷つけるというようなことは
よくありますが、その後、感染した例などでは、
「先週、どこどこで転倒がありました。」というような
情報を歯科医師に伝えることで、診断が進むことが多いです。

 

B 発生と経過

 

いつはじまったのか、どのような変化をたどったのかなど、
初発の状態や時期がとても大切です。

 

なにか「変だな」と思ったら、
それを記録しておくことが大切です。

 

それが、後々需要や判断材料になることもあります。

 

C 現症

 

今、どのような状態かということも大切です。

 

口腔粘膜の観察点をしっかり観察し、
今の状態をしっかり歯科医師側に伝えましょう。

 

舌も診る

 

舌の観察もとても重要で、「舌診」と呼ばれています。

 

東洋医学の応用もなされている「舌診」は、
全身状態を反映すると考えられています。

 

舌診は、診査結果を数値化することはとても難しいので、
一般的な診査項目にはなっていませんが、
舌に注目することはとても重要だと考えている医師は多いです。

 

舌の形態や大きさ、色、舌苔(舌の上の苔状のもの)を観察しましょう。

 

*口腔粘膜の観察点

 

口唇(こうしん)

 

上口唇(じょうこうしん):上くちびる

 

下口唇(かこうしん):下くちびる

 

頬粘膜(きょうねんまく):頬の内側の粘膜

 

歯肉(しにく):頬側(表側)と舌側(内側)

 

舌(ぜつ):表面→舌背(ぜっぱい)、先端部→舌尖(ぜつせん)、
     へり部分→舌縁(ぜつえん)

 

口蓋(こうがい):上あご部分、骨の裏打ちがある部分→硬口蓋、
        奥の部分→軟口蓋