介護福祉士が知っておきたい口腔ケア

口腔ケアの考え方

口腔ケアの効果

 

口腔ケアの効果には、単なる「口腔清掃」というだけでなく、
さまざまな効果があります。

 

@ 感染予防

 

・口腔疾患の予防
・呼吸器感染症の予防

 

A 口腔機能の維持・回復

 

・摂食・嚥下機能の改善
・口腔間隔の向上に伴う食欲の増進

 

B 全身の健康維持・回復、社会性の回復

 

・体力の維持・回復
・ADLの向上
・コミュニケーションの改善

 

口腔ケアとは

 

口腔ケアは、大きく分けると二つに分けることができると思います。

 

@ 広義の口腔ケア(Oral Health Care)

 

口腔領域の健康を創造するという意味の広い概念の用語。
口腔清掃以外に疾病予防やリハビリテーションも含まれます。

 

A 狭義の口腔ケア(Oral Hygiene)

 

口腔清掃を中心とした介助・介護の意味合いが強い用語。

 

口腔ケアの担い手

 

口腔ケアというと、「歯科衛生士」が行うというイメージが
強いと思います。

 

ですが、実際の、看護・介護の現場では、
担い手の主流は歯科衛生士だけでなく、
介護スタッフであったり、家族だったりします。

 

歯科衛生士は、歯科医療側で仕事をしている専門職で、
看護や介護の現場に勤務する人は少ないです。

 

また、歯科診療室の外来を訪れる患者さんは、
自立できている患者さんが多いため、
歯科衛生士の口腔ケアに関する専門性は、
高齢化社会の時代とはいっても、
まだ十分に発揮できていません。

 

これからは、歯科衛生士も、看護や介護の現場に向けて
情報発信していくことが必要になってきます。

 

専門的口腔ケアとは

 

@ 口腔保健指導

 

・口腔衛生確保の必要性の説明
・口腔清掃法の指導

 

A 専門的口腔清掃

 

・機械的口腔清掃
・化学的口腔清掃
・義歯の清掃

 

B 口腔機能の維持・回復

 

・摂食姿勢や食事環境の指導・助言
・食事形態の指導・助言
・食事介助と機能回復の指導・助言

 

このように、専門的口腔ケアは、かなり守備範囲が広くなっています。

 

そして、歯科衛生士が提供する専門的口腔ケアはとても重要です。

 

ですが、毎日の生活が基盤にある介護の現場に、
歯科衛生士が毎日、食事のたびに訪れてケアすることができません。

 

かといって、口腔ケアを介護職や看護し、家族へ
まかせっきりにすることができないというジレンマがあります。

 

そこで必要なのは、「連携」です。

 

歯科衛生士や歯科医師、介護職や看護職など介護の現場の職員・家族との
連携がとても重要になってきます。

 

@ 口腔保健指導

 

口腔ケアの必要性を伝えたり
清掃方法を教える口腔保健指導。

 

介護職の知識として、口腔衛生の必要性は欠かすことはできません。
清掃方法に関しては、定期的に指導を受けることが必要です。

 

口腔ケアの対象者の状態は、
全身状態も口腔状態も個々に異なります。

 

また、道具の進歩も著しいため、
新しい道具の知識を継続的に入手することが、
介護職としての専門性向上に欠かすことができません。

 

A 専門的口腔清掃

 

専門的口腔清掃は、歯科衛生士という専門職が腕を揮う部分になります。

 

機械的清掃は、歯垢(うがいやブラッシングだけでは
除去が不可能な歯石)を除去し、歯の表面を潤沢にして、
日常の口腔ケアの効率を高める目的があります。

 

専門的口腔清掃では、専門の機械を用いますが、
最近では訪問診療用の超音波装置が開発されたことによって
大きく進歩しています。

 

超音波装置は、定期的に用いることによって
口腔ないの細菌を制御することができる可能性があります。

 

このような清掃を、プロフェッショナルクリーニングと呼び、
超音波装置と専門の研磨材を用いたケアを
定期診査と同時に提供することによって効果を上げています。

 

日常の清掃に加えて、義歯の清掃も定期的に行うのが理想です。

 

毎日の義歯の清掃は、ブラシによる清掃、
そして、義歯洗浄剤の使用が望ましいです。

 

それでも除去しきれない汚れが付着します。

 

そのようなときには、歯科衛生士による義歯清掃が役立ちます。

 

歯石や着色等の除去によって、
義歯を汚れにくくすることができます。

 

専門的口腔ケアは、
在宅歯科医療の現場でこそ価値があるものであるといわれています。

 

・入院中の患者さんへのケア

 

入院中の患者さんへのケアは、日常の口腔ケアを担当している
看護スタッフや介護スタッフ、
家族の方への指導も同時に行うのが理想です。

 

・在宅での口腔ケア

 

歯科治療が一段落したら、
歯科医師から歯科衛生士へ比重が移ります。

 

歯科医師は、口腔内の確認をする程度で、
歯科衛生士による専門的口腔清掃が主になります。

 

月に一度・・・というように、
介護保険を利用し、
居宅療養指導が行われるようにすると口腔を良好に保つことができます。

 

B 口腔機能の維持・回復

 

口腔機能の維持や回復をすることは、
摂食・嚥下リハビリテーションに含まれる部分です。

 

訪問衛生指導により、歯科衛生士の参加がとても有効です。

 

口腔ケアの効果

 

口腔ケアの効果は、単なる清掃だけにはとどまりません。

 

口腔ケアが誤嚥性肺炎を予防するというような
全身的な問題に貢献できることが証明されたのは、
介護の現場でも体験したことを、再確認できたことです。

 

現場では、たとえば口腔ケアをするようになったら、
突然はっきり話ができるようになった、
植物状態で口腔中がガサガサに乾燥していた一が、
ケアを始めた途端に唾液が出てくるなど、
どれも口腔ケアがプラスとなるということを後押しすることが起きています。

 

また、日常のケアに加え、
専門職のケアが加わることによって、ケアの質を高めることができます。

 

お互いの職種の、お互いの専門性を理解し、
連携をとることが必要です。